記録 No.3

[　ぺたりぺたぺた。日記帳には肉球が並んでいる　]

ほんのちょこーっともう爪の先にも満たないほどのうっかりで
付けられた首輪は擦れて痛いのじゃ。
はずすと爆発するとかどこのばとろわなのじゃ。

1：主人の命令に反する
2：主人に牙を向ける
3：半径50Ｍ以内に居ない

なんて妙な制約つけおってからに。
そもそも半径50Ｍってなんなのじゃ！？
ままならぬ……脱走もひとりのあばんちゅーるもままならぬ。

あの女ぶｋｋ……　

[　押しかけの肉球がかすれている　]

……ぶたのかくにとか作ってあげようと思うのじゃ。

[　震える肉球でそう書き直してある　]

屈辱。

ところでなんぞけったいな夢を見たが。
ワシなんであんな夢を見たんじゃ？

――金髪の男が笑っておる。だらしない顔じゃ。
男の背中に縋ると魚臭と獣臭がしたのだ。

ワシは腹が減る筈なのに、何故だか胸がきゅんとし…

………え？　ワシそんな趣味あったのか？

男の背中に縋ってむねきゅん？

………。

…………。

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[　ぱたん！　]

[　日記帳を閉じれば、遠い目で月を仰ぐ　]

わおーーーーーん

わおーーーーん

わおーーーん

[　哀しい遠吠えが響き渡ったそうな　]